一般財団法人 全国療術研究財団・一般社団法人 全国療術師協会 病を治したいという強い願いに応えるために

厚生労働省

■全療協・日本療術学会の会員皆様に

順天堂大学名誉教授・特任教授 佐藤信紘

『ワクチンの有用性と
副反応について』

順天堂大学名誉教授・特任教授 佐藤信紘

1 助け合う社会を目指して

 コロナ禍に対する日本政府の対応は、感染患者数、死者数とも欧米に比し格段に少ないのにもかかわらず評価が低いと言われます。ワクチン接種が欧米に比しとても遅れているのが問題です。感染状況の詳細が見えないので、オリンピックなどの集まり・イベントの開催は危険だと考える人が多いのも無理ありません。自殺の増加がとりわけ女性に多いと報じられています。中央政府と地方自治体とのコロナ対策にかかわる齟齬もありますし、国民1人1人の苦しみを少しでも和らげようとする施策・行動が見えません。

 コロナ禍が世界で1年以上続き、我が国の経済界はとりわけコロナ禍に対応に苦しんでいます。確かに、往来が途絶え、観光業やアパレル界、運輸業や外食、デパート、エンタメ業界が死活問題に陥っていますが、一方、製造業や巣ごもり需要が見込まれる産業は増益だといわれます。同じ業界でも何兆も利益を上げる企業があるかと思えば、減益赤字で苦しんでいる企業が多く、2極化が進んでいます。

 財界リーダーが不幸にも病で交代する事態となり、明るい話題を提供して社会生活の安心・安全を推し進めるどころか、閉店や赤字・倒産が増えているのを助け合う姿勢が見られません。縄文の昔から日本民族の心であった「助け合う」という姿勢が、いつから我が国で消えたのでしょうか。

2 情報開示の重要性

 このような時機にこそ、文化芸術や学問が人々の生き方に貢献して、私たちは心を癒し、明るさを取り戻し、自信・誇りをもって目を外に向ける必要があります。一人一人が人・社会と対話する必要があります。しかし、公権力が声高に自粛を要請し、メディアがそれを伝え、周囲が自粛することにより国民に同調圧力がかかり、雰囲気に飲まれて自粛し、人・社会との対話の場が失われています。公権力が三密防止、Stay home.を叫ぶことによりいわゆる自粛警察などの圧力で、社会は逼塞・閉塞感が長く続いているのが現状です。少しでも人本来の生き方を求める人が、度重なる自粛要請に耐えかねて、人流が増加しているのも、人々のせめてもの抵抗でしょうか。

 要は、COVID-19感染者が減り、怖くない病気になり、感染への恐怖感がなくなることですが、政府や自治体の専門家会議や医師会はこの感染症の実態を詳しく伝えないで怖さ・不安ばかりをあおり、マスコミも世界の感染状況に関する科学的な調査報道をあまり伝えない状況が続いています。真に必要な情報が国民に行き届いていないと誰しも感じているのではないでしょうか?

 それにしても、どのような人が、どのようにして感染したのか、どのような人が重症化し、死に至ったのか、死因は何か、ウイルス変異の影響は如何だったのか、いかなる薬が功を奏したのか、ワクチンの有効性と安全性、副反応の実態などの情報により、この疾患を理解し、行動変容を起こし、自らを守る社会が創出されるのです。現時点ではこれらの科学的情報開示があまりにも乏しいといえます。我が国での分析を、外国のデータと比較し、差異・相違点を論じる必要があります。生命科学は国境を越えて普遍性を有するものなのです。

3 全療協、日本療術学会の皆さんへ

 欧米先進国ではワクチン接種が国民の50~60%強に終了し、COVID-19 感染者数は著減しました。諸国のロックダウンの解除が報道されています。時にマスクを外して羽目を外す人もテレビで報道され、未接種者への感染が中心のクラスターが報じられますが、ワクチン接種が進みますとコロナ禍を克服することになります。

 今回開発されたワクチンは、局所の痛みと発熱・だるさが少しありますが、これらは抗体を作る免疫反応としての反応で、いわゆる副作用は心配された大きなものは殆どありません。インフルエンザワクチンに比しても、有効率が圧倒的に高く、副反応も低いという、画期的なワクチンです。本ワクチン開発者は本年度のノーベル医学・生理学賞を受賞するでしょう。

 我が国でもワクチン接種の効果が出始めました。本年1月の都内のCOVID-19感染者は4万名を超し、そのうち医療従事者の感染者は全体の1.3%、525名もいましたが、医療従事者へのワクチン接種が始まった2月には366人、3月は237人、4月は77人と減少し、5月には全感染者数が22000名の中、医療従事者は47人と激減しました。

 都内の全医療従事者57万人の内65%が2回接種を終えましたが、この時点で医療従事者の集団免疫がほぼ確立したものと思われます。

 なお、6月19日の時点で全国でのワクチン接種1回修了者は1532万人、2回終了者が387万人と報じられています。18歳以上の人口の約15%近くが1回は接種した計算になりますが、まだ、高齢者集団への接種が主たる対象で、集団免疫獲得に至っていません。今後、接種の加速化とともに、感染の中心となっている20代~40代への対象拡大が進みますと、間もなくコロナ禍収束が見えてくると思います。あともう少しの辛抱です。

 療術に携わっている皆様も、可能な限りワクチン接種を受けられ、不安を軽減されて、健康を守ることにより、クライアント・国民の健康を守るという責務に邁進していただけると考えます。ワクチン接種を家族やクライアントに勧めて頂くとともに、みんなで国民の健康を守るという気概を持ち続けてほしい、と心より願っております。

 

■ご挨拶

昭和63年5月、療術に関する研究及び療術に携わる者の知識技能の向上等を目的として財団法人全国療術研究財団が発足。その後24年の歩みを経て、平成25年4月、内閣府の移行認可を受け、一般財団法人として再発足しました。
財団としては療術に関する研究として療術の有効性、安全性、独自性等についての医学的研究を推進するとともに、知識、技能の向上を図るための研修活動を実施していく所存でございます。
今後、より一層研究活動、研修内容の充実を図り、優れた療術師を世に送り出し、国民の健康保持に貢献して参りたいと考えております。

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